コロナ禍による失業や休業、事業の失敗、他人の保証、離婚、出産、病気など、さまざまな事情で借金をしてしまい、返済のために生活が苦しい状況に陥っているという方が少なくありません。また過去の浪費やギャンブルを後悔している方もいるでしょう。「毎月の返済後すぐにまた借りてしまう」「このままでは返済がいつ終わるのかわからず将来が不安でしかたがない」などとお悩みではございませんか。
借金は整理し、清算していくことができます。手続き開始によりいったん督促を止めることができ、返済を止めたうえでゆっくりと家計を見直し、今後の返済計画を立てることができます。手続きによって、「借金が減額」になったり、「借金を支払わなくてよくなる」といったことがあります。「月々の返済金額」が少なくなり、家計の負担が軽減されるケースも少なくありません。
●消滅時効の援用
消滅時効とは、債権者が債務者に対して請求等をせずに法律で定められた一定期間(5年ないしは10年間)が経過した場合に、債権者の権利を消滅させる制度です。
ただし時間が経過しても、消滅時効の援用をしなければ消滅しません。そのため司法書士が代理人として、配達証明付の内容証明郵便等の方法で、債権者に時効の利益を受けることを通知します。これが援用と呼ばれる手続きです
これにより債権者は依頼者に対して直接請求することができなくなり、督促が止まります。もし過払い金が発生している場合は、過払い金請求手続きを行います。
借金の消滅時効は5年ですが、5年経過していても中断事由が存在する場合は時効が成立しません。そこで債権者にこれまでの取引履歴を開示してもらい、それをチェックします。併せて中断理由がないかどうか、また債権者に消滅時効の成立を争うかどうかなどを確認します。
争わない場合は業務終了となりますが、争う場合は引き続き債権者と交渉します。すでに消滅時効が成立していても、時効の中断事由に該当する債務の承認をさせようと債権者が訴えることがないわけではありません。こうした場合は司法書士が代理人として訴訟対応(簡易裁判所に限る)します。
司法書士は行政書士と異なり債務者の代理人として交渉することができますので、ぜひ私たちに安心してお任せください。
なお消滅時効が成立しない場合は、任意整理や自己破産、個人再生などを検討することも可能です。
消滅時効援用の手続き費用については、基本報酬の分割払いも可能なこちらの「消滅時効の援用料金表」をご覧ください。
債務整理には、主に「任意整理」「自己破産」「個人再生」の三つの方法があります。
どの手続きが適しているかは、相談者一人一人の状況によって異なります。 借金の金額だけで決めることはできませんし、毎月の収支によっての月々返済できる金額やその他の生活の状況などを総合的に判断したうえで、適している手続きを判断することになります。また、それぞれの手続きでメリット・デメリットが異なるため、ご自身がどの手続きを希望するのかも手続きを選択するうえで重要なことです。
また、借金の返済を止めてしまい、何年も放置してしまって遅延損害金が膨れ上がっている場合でも、上記の整理方法以外に、請求金額を払わずにきちんと法的に解決できることもありますので(例えば前項の「消滅時効の援用」など)、詳しくはご相談ください。
●任意整理
残っている借金について、司法書士が将来の利息を免除してもらって原則3〜4年以内で無理なく分割返済できるよう借入先と交渉する手続きです。
その際に、借入先から取引履歴などの資料を取寄せし、過去に払い過ぎた利息がないか調査します。払い過ぎた利息があった場合は、その分借金を減らすことができます。場合によっては、過払い金が発生していて、お金が返ってくることがあります。(過払い金返還)
払い過ぎた利息がない場合は、借金自体は減額にはなりませんが、将来の利息を免除してもらえる分、家計の負担をかなり軽減することができます。
ただし、返済が一定期間続くため、継続安定して収入を得る見込みであることが必要です。
●自己破産
毎月の収入から借金の返済に回せるお金がない、もしくは、客観的に3年以内にすべての借金を返済できない(「支払不能」といいます)といった場合に、裁判所へ申立て、借金全額の支払義務を免責してもらう手続きです。
●個人再生
支払不能のおそれがある場合に、裁判所へ申立て、借金の総額のうち、一定の金額を分割で返済すれば、残りの金額の支払義務を免責してもらう手続きです。
住宅ローンが残っているが自宅を手放したくないといった場合や、ギャンブルなどで浪費してしまって自己破産手続きでは免責が許可されない可能性があるといった場合によく利用されています。
ただし、返済の見通しが立たなければならず、継続安定して収入を得る見込みであることが必要です。